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NPの増加こそ医療界を救う秘策

レポート 2019年6月28日 (金)  志賀隆(国際医療福祉大学准教授/同大三田病院救急部長)

―エピソードー 以前、こんな場面がありました。 私が駆け付けると80歳の女性が救急搬送で到着したばかりでした。老人ホームで朝ごはんを食べた後に失神したとのこと。同僚の田中さんが、バイタルサインを測り、モニターを着け、静脈路確保、採血、心電図、心エコーをてきぱきとこなしてくれているところでした。そこに「35歳の男性が階段の踊り場で耳から血を流して倒れていた」という新たな受け入れ要請が。すかさず、田中さんが「先生!この患者さんは痙攣の既往で当院受診歴もあるようです。意識も悪く、耳からの出血ということで頭蓋骨骨折も疑われるので放射線を呼んでおきますね。まずABCの確認とは思いますが、頭部CTと採血、静脈路確保はオーダーしておこうかと思います!」とタイミングよく提案をしてくれる。その後も「今日の脳外科オンコールは松村先生だ!CT取ったらすぐ電話、電話」と田中さんはつぶやく……。 実にテキパキとした働きぶりです。研修医の先生は2~3カ月で次の科へ行ってしまいますが、田中さんとは同じ職場で働くようになってもう2年になる。もちろんプロとして意見が対立することもありますが、とても心強い仲間であると思っ...