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“無給医”の定義曖昧、文科省調査は不十分 - 小川彰・医大協会長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2019年7月17日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――大学の運営、働き方改革とも関連してくる問題ですが、最近は大学では“無給医”の問題も露呈しました。文科省が6月末に公表した調査結果では、岩手医大にも“無給医”がいるとのことです(『大学病院の「無給医」、少なくとも2191人、文科省調査』を参照)。 文科省の今回の調査は、不十分だと思います。2018年に明るみになった不適切入試問題に絡んだ調査も、文科省は不十分な対応でしたが、今回の “無給医”の問題も同様でした。文科省は調査権を持っているわけではないので、調査対象医師や“無給医”について定義をせず、各大学の自主的な判断による回答を求めたのです。 その結果、真面目に現状を調べて回答した大学から、そうでない大学まで、また“無給医”をオーバーに解釈したところから、アンダーに解釈したところまで、全てまとめて結果を公表しています。しかも、調査への回答が4月末までに求められていたにもかかわらず、まだ調査中のところも数校あり、大学の調査に対する熱心さに温度差があったと思います。 医大協会長の小川彰氏は、“無給医”問題、不適切入試問題についての文科省の調査の在り方を問題視。 ――“無給医”と一口に言っ...