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感染症対策、人と人の絆こそ“ワクチン”

レポート 2019年7月23日 (火)  大西裕康(m3.com編集部)

賀来氏 東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座総合感染症学分野教授の賀来満夫氏(東北大学病院総合感染症科/検査部教授)は2月8日、2018年度での退任を前に最終講義を行った。自身が東北大に教授として赴任後の20年間で取り組んだ感染症対策のネットワーク構築・強化に関しては、「感染症対策を効果的に行うためにはソーシャルネットワークの構築は欠かせない。社会全体で取り組むことが最も重要なワクチンになる。その中でも最も大切なのは人と人との連携。全ては人と人との絆」と熱く語った。 自身の歩みについては「大規模災害に関連する感染症対策や世界的な感染症アウトブレイクへの対応を数多く経験した」と振り返った上で、市中で購入できる食肉からも感染症につながる薬剤耐性菌が検出される現状を取り上げ、「感染症は身近にある脅威。人間を取り巻く環境だけでなく動物の住環境なども含めた人・動物・環境を全体で考える『One Health』の概念でたゆまぬ努力とさらなる発展が必要」と訴えた。 賀来氏は大分県別府市出身。1981年3月に長崎大学医学部卒業後、同大大学院医学研究科博士課程修了を経て、国際協力事業団(ケニア共和国 ...