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財政リスクを減らしつつ、資源配分を効率化 - 田倉智之・東大特任教授に聞く◆Vol.1

インタビュー 2019年8月10日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

2019年4月から、医薬品や医療機器を対象に、「費用対効果評価」が本格導入された。検討開始は2012年。2016年度からの試行的導入を経て、計7年の準備期間を要した「費用対効果評価」は、政府の経済財政諮問会議でも、迅速で効率的な実施が求められている。 「費用対効果評価」についての実務的検討を行う場が、中医協の費用対効果評価調査専門組織。同組織の委員長を務める東京大学大学院医学系研究科医療経済政策学講座特任教授の田倉智之氏は、末期腎不全や虚血性心疾患などに対する医療技術の臨床経済的な評価研究に取り組んできた実績を持つ。田倉氏に「費用対効果評価」の基本的な考え方などをお聞きした(2019年7月10日にインタビュー。全3回の連載)。 最終的には、ポリティカルに決まる部分が多い診療報酬でも、費用対効果評価などのエビデンスがあれば、合理的な議論に近付けることができると見る。 ――薬価は、例えば新しい機序の薬の場合、原価計算方式で算定され、原価などが反映される仕組みになっています。費用対効果評価を組み合わせる意味を改めてお教えください。 医療保険財政に対するインパクト、得られる効果とのバランスなど...