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費用対効果評価、診療ガイドラインでも導入 - 田倉智之・東大特任教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2019年8月17日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――イギリスには、NICE(The National Institute for Health and Clinical Excellence)が技術評価のガイダンスを公表しています。日本では、各種ガイドラインに費用対効果評価を入れる動きはいかがでしょうか。 私も関わっていますが、関係学会が合同で作成した「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」には、2012年改訂版でも、既に費用対効果評価の考え方が入っています。 世界医師会の「マドリッド宣言」を引用し、個々の医師も、医療の費用対効果、ひいては医療資源を有効に使う視点が求められると説く。 例えば、急性心筋梗塞で搬送されてきた患者さんに、PCIあるいはCABGを実施して、その後に心臓リハビリテーションを実施した群と実施していない群で、どれだけ費用対効果が違うのかという議論です。心臓リハビリを行えば、そのコストは余計かかりますが、急性心筋梗塞の再発や死亡を減らせるので、心臓リハビリを積極的に実施した方が、費用対効果は高い。次の改訂も進んでいますが、最近、注目が集まる心不全についてブラッシュアップしていく予定であり、他の幾...