最善の治療か?大会出場が優先か?葛藤も - 中嶋耕平・JISSメディカルセンター副主任研究員に聞く◆Vol.3
インタビュー
2019年8月31日 (土)
聞き手・まとめ:m3.com編集部
――普段、定期的に通院される方を診ている時と、スポーツドクターとしての仕事の相違点は何でしょうか。 ゴールが決まっているところが結構違うと思います。スポーツ選手を診る場合、「一番大事にしている大会がいつか」などといった聞き方をして、まずゴールを設定します。一般の外来では、最終的な治療結果が問われることになります。でも、スポーツの選手の場合、次の重要な大会までの治療経過が大事なので、限定された期間を念頭に「この治療でいけるかどうか」を考えることになります。 ――先生が考える「いいスポーツドクター」とは。 一口にスポーツドクターと言ってもいろいろあって、トップアスリートを診るスポーツドクターの場合、選手の背景までも十分に理解して治療方針などを決めていく必要があります。 「今、この選手にできる最大限のベストなチョイスって何だろう」と思う時に、それが一般的な治療と一致していたら、問題ないのです。けれども、それが難しい時もあるわけです。一般的な治療として適切かどうかよりも、その選手がオリンピックで活躍することの方が重要な場合もあります。 「通常はこういう治療方針でいくのがベストだけど、それをやっ...
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