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データ以上に重要なのは「医療者の勘と経験」- 河原和夫・東京医歯大政策科学教授に聞く◆Vol.3

インタビュー 2019年9月4日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――では、より良い医療提供体制を構築していくには、どんな仕掛けがあればいいとお考えですか。 本当は実効性のある医療計画を早く作ろうと考えたら、東京都の医療をよく分かっている10人くらい集めてきて、2、3時間議論すれば、東京の医療課題が抽出できるでしょう。その解決策を考えていけばいい。データはその議論で明らかとなった論点を解決するための脇役ですが、今、国がやろうとしている施策はデータが主役になってしまっています。 外来医療計画にしても、今あるのは外来医師偏在指標。本当は、何科を標榜している診療所が何カ所あり、各医療機関がどんな診療を担っているかまで把握しないと具体的な議論は難しいでしょう。 河原和夫氏は、人口減少社会で18歳人口が減少する中、日本の社会の在り方、産業構造全体を踏まえて、医療の在り方を検討する必要性を指摘する。 ――自分の身近な地域であれば、地図が頭に浮かび、各医療機関がどんな医療をやっているかが分かる。 その通りです。論理的でないかもしれませんが、人間の勘と経験は、一番真実を突いていると思う。データは真実の周辺をうろうろするだけで、真実にはたどり着きません。 ――先ほど、...