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「女性の潜在的能力封じは“片翼飛行”」、山口一男・シカゴ大教授が警鐘

レポート 2019年8月19日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

日本医学教育学会多様性推進ワーキンググループ&プロフェッショナリズム・行動科学委員会の合同企画「医学部入試の男女不平等への処方箋を考えるシンポジウム」が8月17日、都内で開催された。シカゴ大学社会学科教授、独立行政法人経済産業研究所客員研究員の山口一男氏は、医学部学生の女性割合が少ない理由について、男女の合格率の差もあるものの、それ以上に大きい要因は「女子学生が医学部を受験しない傾向」であると解説した。 山口氏は、日本では、医師のみならず、大学教員、研究者、国会議員、裁判官などの高度専門職や、企業の管理職に占める女性の割合が、OECD諸国の中でおおむね最下位である現状も説明。「医学部入試の女性差別は、実は根が深く、そこだけで議論していたのでは問題解決はしないだろう」と述べ、大学進学以前の初等・中等教育や家庭での教育の問題がその背景にあると指摘した。「男女の機会平等を徹底するという発想についての教育が抜けているのではないか」。 シカゴ大学教授の山口一男氏 『働き方の男女不平等』(日本経済新聞出版社)などの著書がある山口氏は、医療界に限らず、産官学、そして政界の各界で女性進出が日本では立ち...