応召義務とは何か、どんな時に診療拒否ができるのか?
オピニオン
2019年9月1日 (日)
三谷和歌子・田辺総合法律事務所弁護士
医療分野に幅広く関心を持つ弁護士グループ有志による、医療に関する法律問題を解説するリレー連載です。日常医療で医師が悩む疑問から医業経営にまつわる問題、さらに、報道される医療ニュースなどを分かりやすく解説していきます。 (連載責任:三谷和歌子・田辺総合法律事務所弁護士) 【質問】困った患者さんがいます。検査を実施するに当たり、医師から、検査の時間・タイミングを指示したのですが、これに納得せず、自らの考えに固執して医師の指示に従わず、病院に居座り続けて警察を呼ばざるを得なかったことが何回もありました。検査の指示を守れないのに診療はできませんので、この患者さんの診療を拒否していいですか。応召義務違反に問われませんか。 【解説】 Q:応召義務の法的根拠を教えてください。 医師法19条1項に定められています。「正当な事由」がない限り、医師は患者の診療の求めを拒否できないと規定されています。 Q:応召義務に違反すると、どのようなペナルティがあるのですか。 応召義務違反により、罰金や懲役といった刑罰が科されることはありません。 医師免許取消・医業停止・戒告といった行政処分については、理論上、科される...
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