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「坂井棋士が休業、医師の道へ」、ニュースに思う

オピニオン 2019年8月25日 (日)  神田橋宏治(医師、DB-SeeD社長)

さて今回は、「番外編」です。 囲碁棋士の坂井秀至八段が、囲碁を休業して医師の道に進むという話がニュースになりました。灘高校から京都大学の医学部に進み、医師免許を取った直後、研修医の勤務時間の長さに驚き、これでは囲碁を勉強する時間がないと編入試験を受けてプロを相手に4連勝、いきなりプロ五段としてデビューしたことは有名です。 ほぼ同年代で、同じく灘高校の囲碁部にいた僕の知り合いがいます。坂井八段が棋士になったとき、知り合いが言うには、「彼は昔から“化け物”であった」と。彼が万が一、プロで一流棋士になれなかったとしたら、それは囲碁というゲームもまた非常に若い段階でプロになって高いレベルでもまれない限り、トップにはなれないゲームであることの証しだろうと。 確かに囲碁も将棋も、トップ棋士は10代の前半から遅くても後半までにはプロになっている方がほとんどなのですよね。その中で28歳と遅くにプロ入りした坂井八段は、一期だけとはいえタイトルを取っており、一流棋士の仲間入りをしたと言えるのではないでしょうか。 坂井八段が灘高校の主将として全国大会に出場したときの副将は、光永順造氏です。彼は灘高校から東京...