無給医として働く側、『何か』があるのか
オピニオン
2019年8月25日 (日)
木川英(川越救急クリニック副院長)
今年の夏は災害級の昨年の夏に比べると過ごしやすい印象ですが、それでも暑いですね。当院でも、連日のように熱中症患者の診察に追われる日々が依然として続いています。 少しさかのぼると、世間では吉本興業タレントによる闇営業の話で盛り上がっていましたが、医療界では「無給医」の問題が表面化していました。 大学病院の「無給医」、少なくとも2191人、文科省調査 前時代からの風習で、令和の現在にも脈々と受け継がれている悪しき伝統。ようやく、こういう事案があるということが日の目を見たと言ったところでしょうか。 私自身は、医局に属したことがないことと、臨床研修制度 が始まったばかりの年に医師になったので、初期研修医からある程度、給料が保証されているある意味恵まれた環境でした。それまでのストレート研修の問題を改善させる意味と給料を支払う義務を定めた画期的な制度なんだったな、と今になって思います。 もちろん、臨床研修制度の必修化による弊害もその後、噴出しておりますが、当時は無給医という存在が表面的には消えたというか、私自身はそのような待遇は無いものと感じておりました。経営の面で考えれば、無給で働いてくれる人が...
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