米国心臓外科医の思う外科医とは(前編)
オピニオン
2019年9月1日 (日)
北原大翔(メドスター ワシントン ホスピタル センター 心臓外科医)
ワシントンD.C.の免許がもらえず悶々とした日々を過ごしていた時のことです。あまりに暇なので病院のオフィスの中でテレビとか観ていた所、そんな僕をみかねたのか心臓外科の同僚(エゼキオ)が「ヒロ、暇なら手術でも見に来たら」と誘ってくれたので、断る理由も特になくふらっと見学してきました。 左から僕、ジュニアPA、スーパーPA 僕が働く病院は病床数912床の米国では中くらいの大きさの一般病院で、心臓外科が使用する手術室は4つあり、だいたい毎日6~9件くらいの心臓手術が行われています。ちゃんと働いている心臓外科医は僕を除くと全部で4人しかいないので、以前から「結構忙しくてヒーヒー言いながら働いているぜ」と周りが言っていたのを聞き、これはよくある忙しいヒーヒーフェイクかと思っていたのですが、1日手術が8件あれば1人当たり最低2件以上手術をしなくてはいけないことを考えると、どうやら心からの忙しいヒーヒーっぽいです。 「大変そうだなぁ」と思い手術室でみんなが準備しているのを眺めていると、エゼキオは手術室に一瞬顔を出してサインアウト(患者さんの名前や生年月日、手術する内容などを皆で確認する儀式的なやつ)...
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