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過失相殺または素因減額すべきとは言えず - 長崎地裁判決◆Vol.6

レポート 2019年9月23日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

【長崎地裁判決】 Vol.1 33歳男性医師の過労死、1億6700万円の賠償命令 Vol.2 時間外労働時間や安全配慮義務で対立 Vol.3 宿日直55回、オンコール81回、8カ月間で Vol.4 平均仮眠3~6時間の当直業務は全体が労働時間 Vol.5 過労死1カ月前、時間外159時間 Vol.6 過失相殺または素因減額すべきとは言えず 第3 当裁判所の判断 5.争点(4)(安全配慮義務違反の有無について)(第2・第3事件) (1)労働者が長時間にわたり業務に従事する状況が継続するなどして疲労や心理的負荷等が過度に蓄積すると、労働者の心身の健康を損なう危険のあることは公知の事実であり、労働基準法の労働時間制限や労働安全衛生法の健康配慮義務は、上記の危険発生防止をも目的とするものと解されるから、使用者はその雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負うと解するのが相当である。 (2)被告は、被告病院において心臓血管内科医として勤務する医師Aに対し、使用者として上記の...