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「千葉の問題は日本の問題」、成功事例目指す - 吉村健佑・千葉大次世代医療構想センター長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2019年10月4日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――「次世代医療構想センター」の運営に当たって、一番のハードルは何だとお考えですか。 やはり医師派遣の仕組みづくりですね。千葉大の各医局との対話と協働が必要で、そのためには最後は人間力しかないと思います、身も蓋もない話ですが(笑)。 各医局は、「伝統的にこの病院を守っている」「院長が医局の先輩」といったさまざまな理由で意思決定を行い、県内各病院に医師を派遣しており、なかなか変更できません。しかし時間をかけながらでも、そこを越えないと、医療提供体制の再編、再構築は難しいと思います。今既に若手医師からもヒアリングを始めており、これまでの医局の体制から少し脱皮し、次の世代に引き継いでいけるような医局の在り方を提言できればと思っています。 一つ参考になるのは、横浜市立大学の麻酔科教室の例。医局を法人化し、関係者間で麻酔科医の配置について議論するなど、透明性の高い運営をしていると聞いています。時代の要請に応えるために、医局も公共財としての医師派遣と教育機能を持つという姿に変わっていく必要があるでしょう。将来の話ですが、全国にある医局が新たな枠組みを構築していくことができたら医療の人材提供は大きく...