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双葉病院患者死亡の責任問えず、東電旧経営陣に無罪判決

レポート 2019年9月19日 (木)  小川洋輔(m3.com編集部)

福島第一原子力発電所の事故対策を怠り、双葉病院や介護老人保健施設ドーヴィル双葉(いずれも福島県大熊町)の入院患者ら44人を避難などに伴い死亡させたとして、東京電力の旧経営陣3人が検察審査会の議決によって強制起訴された裁判の判決が9月19日、東京地裁であり、永渕健一裁判長は3人に無罪を言い渡した。被害者側の支援団は、検察官役を務める指定弁護士に控訴を 求める考えだ。 事故は2011年3月11日の東日本大震災に伴う巨大津波によって、翌12日以降に発生。福島県の住民らが東京電力旧経営陣の刑事責任を問うよう求める告訴状を提出したが、東京地検は不起訴処分とした(双葉病院の避難の経緯は『“双葉病院事件”の真相、当事者医師、語る』などを参照)。その後、検察審査会が2回にわたり「起訴すべき」と議決したため、検察官役を務める指定弁護士が2016年2月、津波対策で重要な役割を担っていた東電元会長の勝俣恒久氏、元副社長の武藤栄氏、元副社長の武黒一郎氏の3人を業務上過失致死傷罪で強制起訴した。2017年6月から37回にわたって行われた公判では、津波の予見性の有無などが争点となっており、3人は無罪を主張してきた...