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医師の死、闇から闇に葬られず議論できたのは有意義 - 出羽厚二・岩手医大法医学教授に聞く

インタビュー 2019年9月20日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

奈良県の山本病院に勤務していた男性医師(当時54歳)が奈良県桜井警察署に勾留中の2010年2月に死亡した事件で、特別公務員暴行陵虐致死容疑で書類送検された警察官2人を不起訴とした奈良地検の処分について、奈良検察審査会は8月28日、「不起訴相当」と議決した。 本事件は、岩手医科大学法医学講座教授の出羽厚二氏が奈良県警察本部に刑事告発したのが発端。2019年4月に不起訴処分とされたが、出羽氏は処分を不当とし、奈良検察審査会に審査を申し立てていた(『勾留中の男性医師死亡、法医が刑事告発したわけ』、『奈良・勾留中の男性医師死亡、「検察の不起訴は不当」』などを参照)。男性医師の死亡をめぐっては、遺族が奈良県に損害賠償請求訴訟を提起していたが、2017年12月の大阪高裁判決は請求棄却、遺族の上告および上告受理申立ても棄却された(『最高裁、「勾留中の医師死亡」遺族の上告棄却』を参照)。 司法の場での議論が終結したのを機に、民事訴訟でも意見書を作成するなど、本事件に長年関わってきた出羽氏に改めて振り返ってもらった(2019年9月19日にインタビュー)。 ――事件が終結した今の思いをお聞かせください。 ...