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突然、来年の職場がなくなっても

オピニオン 2019年9月29日 (日)  志賀隆(国際医療福祉大学准教授/同大三田病院救急部長)

みなさんは、予定していた進路(留学や大学院への進学等)や次に勤務することになっていた職場が「突然なくなる」という経験をお持ちだろうか。私の答えはYESだ。今年の夏のように、暑い日差しを浴びていると、一本の電話で目の前が一瞬、真っ白になった記憶が蘇る。それはそれは暑い、“沖縄の中のアメリカ”にいた時の話だ。その一本の電話は、私を真っ白にしたが、同時に私のその後の進路をも決めることになる。今回は、そんな不思議な話をしたい。 話は2004年にさかのぼる。私が、沖縄の中のアメリカ、在沖米国海軍病院でインターンを始めた年だ。4月に始まったインターン最初のプログラムは、プログラムディレクターから熱血漢の指導を受け、あっという間に過ぎた。5月になって小児科を回っていた時、インターン同期の先生から声がかかる。 「今度A病院の食事会に行くんだけど、一人だと寂しいから志賀も一緒に行ってよ!」 私は、「えー。もう来年の職場は救急車が1万台来る福岡の病院に決めてあるんだけど…」と難色を示したものの、インターン同期の先生があまりに懇願するのに負け、「分かった。行ってあげるけど、USMLEの勉強した後に、遅れて参...