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「3.11」で忸怩たる思い、災害対応を強化 - 岩手医科大学◆Vol.2

インタビュー 2019年10月23日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――盛岡市中心部の非常に利便性が高い内丸キャンパスから矢巾キャンパスに、医学部をはじめとする各学部、附属病院など全面移転を計画した一番の要因は何でしょうか。 全面移転したのは、内丸キャンパスの狭隘(きょうあい)化と老朽化がきっかけです。内丸地区は敷地が狭く、駐車場も少ない上に、周囲の道路は朝晩大渋滞でした。本学は、明治30年(1897年)の開学。内丸の病院は、昭和30、40年代の建物が中心でしたが、大正時代や昭和初期の建物も使っていました。7床室もあったので、患者さんに非常に申し訳ないことをしていた。一番新しい循環器医療センターも1997年の開設なので、もう20年以上経っています。 岩手医科大学理事長の小川彰氏。「3.11」を経験した立場から、災害対応できる病院づくりの重要性を強調する。 矢巾町は内丸から南へ、約10km離れた場所にあります。もともと広大かつ平坦な土地があり、2002年に大学キャンパス用地取得を決定。第1次事業の2007年には薬学部と共通教育センターを開設。第2次事業の2011年には医・歯学部と基礎・共同研究部門が移転するなど段階的に進め、第3次事業として附属病院をこの...