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医師高齢化、廃業増え「充足することはない」

レポート 2019年10月7日 (月)  小川洋輔(m3.com編集部)

国際医療福祉大学大学院教授の高橋泰氏が9月29日、名古屋市で開かれた第61回全日本病院学会で「医師偏在の現状」と題して講演し、「医師が充足することはない。医学部の定員増をやめるのは間違いである可能性が高い」と、医師の高齢化や過疎地域の医師不足に拍車がかかることに警鐘を鳴らした。 過疎地域の医師不足に警鐘を鳴らす高橋教授 講演では、田中角栄内閣による「1県1医大構想」の影響で1970年代に医学部32校の新設が相次いだ影響で、1970年代前半まで毎年約3000人だった医師国家試験の合格者が1980年以降は毎年約8000人に達しているという統計を基に、年齢ごとの医師免許保持者の構成を見ると、30歳代、40歳代、50歳代がいずれも約8万人、60歳代が約4万8000人、70歳代が約3万3000人との推計を示した。 今後、新設医学部の卒業生が70歳代に達し、廃業が増えると予想される(高橋教授の講演資料) これまでは70歳以上の医師数が少なかったため、「8000人が生まれ、4000人がリタイアしていた」。今後は毎年約8000人が国家試験に合格していた世代が70歳代に達するため、2008年度以降の既存...