1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. RWDでの既存治療評価でネガティブ・スタディ - 康永秀生・東大臨床疫学・経済学教授に聞く◆Vol.2

RWDでの既存治療評価でネガティブ・スタディ - 康永秀生・東大臨床疫学・経済学教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2019年11月4日 (月)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――リアルワールドデータ(RWD)研究やRCTは例えば10年後、どのような役割分担になっていくとお考えですか。 新薬の治験では、RCTが絶対必要です。リアルワールドデータではプラセボ効果を除外できないからです。RCTができないところ、あるいはRCTを実施する前にリアルワールドデータで分析して、RCTにつなげるという使い方などが考えられると思います。 RCTが難しい一つが、高齢者医療の分野。RCTでは高齢者は除外基準に入れられてしまうからです。けれども、市販後には高齢者にも使われているわけですよね。高齢者に対する効果は、RCTで示されている効果の大きさとは異なる可能性がある。それを検証しないといけない。日本は人口の高齢化が世界で一番進んでいるので、高齢者に対するリアルワールドデータ研究は、日本がある意味リーダーシップを発揮してやっていかないといけない領域なのです。 日本はRCTを厳密にやるようになったのは、2000年代後半ぐらいから。それより前に市販されている薬の検証もリアルワールドデータ研究の対象です。DPCデータを使って昔から使われている薬を検証したら、ネガティブ・スタディになったも...