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「医療の現状正当化のため受験生の夢奪った」順大訴訟

レポート 2019年10月17日 (木)  小川洋輔(m3.com編集部)

順天堂大学医学部入試で性差別を受けたとして、元受験生の女性13人が同大を運営する学校法人順天堂に対し、損害賠償計4270万1080円の支払いを求めた裁判の第1回口頭弁論が10月17日、東京地裁(加本牧子裁判長)で開かれ、原告代理人弁護士の角田由紀子氏は「医療現場がどのようなものであろうとも、それを正当化するために若い受験生の夢が奪われ、努力が評価されないということは許されない」と訴えた(『女性13人が順天堂大を提訴、不適切入試』を参照)。 訴状によると、順天堂大は女性受験者について「女性であること」を理由として合否判定基準点を男性より高く、厳しく設定することで女性の合格可能性を男性に比べて制限した。原告側によると、順大側は請求棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢を示している。 角田氏は意見陳述で、不適切入試について「あらかじめ女性差別をすることを意図して、入学試験の仕組みを組織的に作り上げることがあり得るとは想像もできないことだ。手続きが公平・公正に行われるという信頼が受験生たちの努力を支えるものだった」と指摘した上で、「原告となった女性たちは、医師となって病気の人々を助けたいとの深い...