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無給医問題、「医師のやりがい搾取」「裸の王様」

レポート 2019年10月20日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

有志の医師らで組織するドクターズ・デモンストレーション実行委員会は10月19日、都内で「無給医問題シンポジウム」を開催した。登壇した医師、弁護士らは、無給医が生じる背景には、博士号等取得のために大学が行う「資格ビジネス」、研鑽を積みたいと考える若手医師の意欲、思いを利用した「やりがい搾取」などの問題があると指摘。「やりがい搾取」を続ければ、優秀な人材が海外に流出してしまい、日本の医学・医療は沈没しかねないとの危機感が呈せられた。 無給医という言葉からイメージするのは、全く賃金の支払いがない「無給」の状態。それだけにとどまらず、「月給1万2640円」「賃金は当直代のみ」といった低賃金、一部未払いも見逃せない問題であるほか、無給であるが故にアルバイトをしなければならず、それが医師の過重労働につながっているという構造的問題も浮かび上がった。 「賃金の不払い」は労働基準法違反。その解決手段は、労働基準監督署等に訴える以外にもある。過労死問題を数多く扱ってきた弁護士の松丸正氏は、“裸の王様”のたとえを引用し、「過労死問題がそうだったように、誰かが声を上げ、問題視することが必要。賃金不払い問題とし...