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トイレ使えない避難所も

オピニオン 2019年10月26日 (土)  坂田大三(ピースウィンズ・ジャパン医師)

被災地を回るPWJの医師ら 被災地での医療支援といっても、病院に来る患者の手当てだけをしていれば事が足りるわけではありません。電気や電話が使えなくて救急車すら呼べない方もいますし、大きな怪我や病気ではないと我慢してしまう方もいます。特に9月の台風15号が通過した後は、激しい残暑に見舞われ、冷房が使えない方が体調を崩すケースが目立ちました。 情報が錯綜 千葉県館山市の安房地域医療センターに到着した9月12日夕方、ミーティングを終えると、私たちピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は近隣の避難所を回りました。 周辺の体育館や地区センターなどを調べたところ、高齢者が板間に畳一枚を敷いて寝ており、トイレが使用できないなど劣悪な環境の避難所があることが分かりました。日中は自宅の片付けなどで出払い、避難者がいないにもかかわらず、夜は44人が寝泊まりしている避難所があるなど、正確な避難者数の把握すら困難でした。 屋根や壁が吹き飛ばされた家屋 被災から5日が経った13日になっても情報が錯綜していたため、安房地域医療センターの対策本部が把握している26カ所の避難所のうち、まだスクリーニングが行われていない施...