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新薬の製造原価「開示度、不十分」

レポート 2019年10月24日 (木)  大西裕康(m3.com編集部)

新しい医療用医薬品を公的医療保険制度の適用にする価格(薬価)を決める際の材料として、製造原価に関する情報を積極的に開示するよう求める声が一層高まっている。10月23日の中医協・薬価専門部会(部会長:中村洋・慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授)では、厚生労働省が「製品原価の開示ができない理由等」を踏まえた薬価制度上での取り扱いの検討を求めたのに対し、中医協委員からは、製造原価の開示度を高めて薬価の透明性を確保する制度の趣旨は変わらないとの意見や、開示できない理由の妥当性を判断して、薬価を微調整するような仕組みもあり得るなどの意見が出た(資料は、厚労省のホームページ)。 2018年度の薬価改定では、国内市場に類似薬がなく、原材料費や製造経費、営業利益率、流通経費などを積み上げて薬価を決める「原価計算方式」の対象になる新薬のうち、既存治療に比べて有用性などが高い場合、製造原価に関する資料の開示度に応じて補正加算を調整する仕組みを導入。製造原価に関する資料の開示度を「80%以上」「50~80%」「50%未満」の3つに分け、加算係数としてそれぞれ「1.0」「0.6」「0.2」を定めた。2019...