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貧困に苦しむアジアの人々「他人事ではない」- 田畑彩生・JAM事務局長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2019年11月14日 (木)  聞き手・まとめ:小川洋輔(m3.com編集部)

JAMのメンバー ――なぜ国際保健に関心を持ったのですか。 小学生の頃、ルワンダの内戦のニュースを見たことがきっかけです。同じ時代に生まれた子どもたちが、国の情勢や環境によって、こんなに違う境遇に置かれるということを知り、何か役に立ちたいと思うようになりました。新聞記者の父親に毎年、報道写真展に連れて行かれていたことも影響したかもしれません。 大学4年生の夏に、メータオ・クリニックへ見学に行き、顔立ちが日本人と似ているアジア人が、中東やアフリカのように、内戦や貧困に苦しんでいる様子を目の当たりにして、同じアジアで、これほど境遇の差があることを実感しました。彼らのことを他人事とは思えず、いつか必ずここで働きたいと思いました。 ――任期を終えて、日本へ帰ったのですか。 しばらく日本で仕事をして貯金をしましたが、すぐにバンコクの大学院に入りました。メータオ・クリニックでの勤務を経て、私のライフワークになったのがデング熱の研究です。 実は派遣されてすぐに、引き継ぎをしていた前任者の日本人女性がデング熱にかかりました。40度以上の高熱に浮かされて苦しむ姿を見て、必死に看病しました。クリニックで勤...