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「遺体の本人確認は盲点、最後までリストバンド外さず」

レポート 2019年11月7日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

仙台厚生病院(仙台市青葉区)の病理診断・臨床検査科科長の遠藤希之氏は、11月7日に茨城県つくば市で開催された第65回日本病理学会秋期特別総会で、同病院で2019年5月に発生した遺体を取り違えて病理解剖した事例について報告。「病院全体としても、遺体の本人確認は盲点だった」と述べ、「全入院患者についてリストバンド(ネームバンド)を退院(死亡退院も含む)するまで外さない」などの取り組みを徹底したことを紹介した(事案の経過は、『遺体を取り違えて解剖、遺族に謝罪、仙台厚生病院』を参照)。 その他、▽剖検中止などの状況は確実に情報伝達を行う(電子カルテ上に「剖検中」などのポップアップを提示するよう変更)、▽人員不足、業務過多と思われた場合は、無理をしない(他の業務でのミス発生の可能性も高くなる)、▽診療経過が分かる担当医が来なければ剖検は行わない――などの体制変更も行った。なお、事例発生直後の6月1日、地元紙には、間違って剖検された遺族のコメントとして、「ご遺族は法的措置も辞さない構えだ」と報道されたが、その後、遺族からの損害賠償等の請求はなく、病院側が謝罪して一段落している。 フロアから発言した...