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556床から388床にダウンサイジング - 熊本市民病院◆Vol.2

インタビュー 2019年12月13日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――2016年4月の熊本地震の前の熊本市民病院は、どんな状況だったのでしょうか。 旧病院は、北館、南館、新館があり、一番古い南館は1979年築で、1981年に新耐震基準が制定される前の建物でした。2001年に耐震審査が入り、耐震性に問題があることが分かりました。2008年に補強壁等による耐震化は現実的に不可能と判明し、建て替えを検討していました。とはいえ、財政的な問題などがあり、最終的に現地での建て替えが決まったのは2012年で、私が院長に就任する前年です。 その後、基本設計や実施設計を終え、設計図が完成。私も関係各所に新病院のプレゼンをして回りました。定期的に見積もりを取っていったのですが、2011年3月に東日本大震災があり、2013年9月に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定したこともあって、人件費・資材価格の高騰のため、見積もりを取るたびに、建築費がどんどん高くなっていったのです。 熊本市民病院院長の高田明氏。熊本地震を経験し、「災害に強い病院」にすることが新病院の第一条件だったという。 ――確かに全国各地、建築単価が上がり、「病院改築は遅らせる」といった声は他でも聞いて...