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一番問いたいのは「家庭の仕事は半分やっていますか」―野村幸世・東京大学消化管外科学准教授◆Vol.3

スペシャル企画 2019年12月15日 (日)  聞き手・まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

中山:先生は大学にずっといらっしゃいますが、医学生の傾向に変化を感じたりしますか。 野村:昔から変わらないと思います。うちの大学の問題としては、医師になりたいわけではなく、一番偏差値が高いから来たというのが昔も今もいることですね。 中山:どれくらいの割合でいるのですか。 野村:難しいですね。偏差値が高いから入ったというのはいつでも1割はいるだろうけど、学生はフレキシブルなので、来たからには医師になりますとまじめに頑張る学生がほとんどです。最後の最後までなじめない学生もいて、多分、学年に3人ぐらいかな。 中山:医学教育の中でだんだん医師へのモチベーションが上がってくるのですね。 野村:そういう子もいますし、やっぱり向かない子もいますね。 中山:そういう学生が実習で病院に来ると、自分が教育する立場だったら、ちょっとカチンと来るような気もします。 野村:カチンと来るというか、消極的なんで、あまり口を聞かなかったりするから、なかなかその場ではつかみにくいです。それぞれの人生だから、医師にならなくてもいいとは思うけど、その子が入ったから他に誰か1人が落ちているわけです。その責任感をちょっとは感じ...