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医療の限界「正直に説明して」 - 渡辺英克・みずほ証券エクイティ調査部長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2019年12月21日 (土)  聞き手・まとめ:小川洋輔(m3.com編集部)

――患者として、特に記憶に残っている体験はありますか。 基本的には医学なり治療というのは日進月歩だと思います。実感するのは、大半の医師や看護師はよく働いてくれるし、患者のためにいろいろしてくださっているということです。ただ、中にはちょっと違うと感じる人がいたのも事実です。 もう40年前の話なので、言えることですが、中学生の時、ある手術を受けて結果的に症状が悪化してしまったことがありました。結果的に悪化してしまう元の手術を進めた医師は、手術後も的確なアドバイスをしてくれませんでした。その後、別の病院に転院してから教えてもらったのですが、手術方法を巡って医師の間でも意見が割れていたらしいのです。そんな説明は親にもありませんでした。当時は何が起こっているのかも分からず、苦しみました。 ――患者とのコミュニケーションが苦手な医師がいると。 いや、コミュニケーションは正直二の次で、要は治してくれればいいんです。コミュニケーションが上手でも腕が悪かったら余計に困ります。ただ、確実に治ると言えないときに、次善の策としてどういうことができるのか言ってくれればいい。きちんと説明してくれない医師が多いと感...