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「中村先生の訃報、魂を失うような感じを覚えた」

オピニオン 2019年12月8日 (日)  川原尚行(認定NPO法人ロシナンテス理事長)

アフガニスタンで長年、人道支援に取り組んできたNGO「ペシャワール会」(福岡市)の現地代表で医師の中村哲氏が12月4日、銃撃され死亡したニュースが流れ、日本国内外に衝撃が走った。スーダンなどで医療支援を展開する認定NPO法人ロシナンテス理事長で、中村氏と同じ九州大学医学部出身の医師、川原尚行氏に、今の心境をつづっていただいた。 スーダンに向かうために成田空港にいた時に中村哲先生の訃報に接しました。私自身の身体の一部が傷つき、そして魂を失うような感じを覚えました。 北九州市ご出身で同郷、さらに九州大学の先輩でもあり、アフガニスタンで支援活動を長年にわたり継続されていらっしゃった中村先生は、スーダンで医療支援活動を始めて以来、「私の生きる標(しるべ)」としての存在でした。 「百の診療所より、一本の用水路を!」と言われ、農村の復興のために水事業を長年にわたって行ってこられたことは、復興の本質は何かを真剣に見つめられていた証なのだと思います。 5年前に長崎で一緒に講演をさせていただいた後に、ゆっくりと先生と語り合うことができました。 「イスラム教徒の中で活動をするのは大変ではないですか?僕はク...