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予防的切除で初の保険適用、対象はHBOC

レポート 2019年12月13日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

中医協総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は12月13日、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)について、予防的乳房・卵巣切除術を保険適用することを了承した。未発症部位の手術等の侵襲的な治療を保険で位置付けるのは初めて。対象は、HBOCの症状である乳がんや卵巣・卵管がんを発症している患者で、対側乳房切除や卵巣・卵管切除を保険で認める(資料は、厚生労働省のホームページ)。 HBOCで多く見られるBRCA1/2遺伝子変異を検出するための医療機器が11月に承認されたことを踏まえた対応。HBOCは、予防的切除により生存割合が高く、診療ガイドラインでも推奨されている。実施はHBOCが適切な検査や治療、遺伝子カウンセリング等が整っていることなどが条件。 がんゲノム医療中核拠点病院(11カ所)、がんゲノム医療拠点病院(34カ所)、がんゲノム医療連携病院(122カ所)での実施が想定されている。 (2019年12月13日中医協総会資料) HBOCは、生殖細胞系列のBRCA1遺伝子またはBRCA2遺伝子の変異により発症リスクが高まり、家族歴のある乳がん患者または卵巣がん患者の30%は...