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解雇した職員から解雇無効の訴えがあったとき

オピニオン 2020年1月5日 (日)  三谷和歌子(田辺総合法律事務所)

【質問】私はクリニックを経営する院長ですが、いくら注意してもミスが多く勤務態度も悪い職員を解雇したところ、当該元職員から、解雇は無効だ、という訴えを受けました。元職員の勤務実態はひどいものだったので、解雇が有効であることに自信はあります。元職員からの訴えを放置していいですか。 【解説】 1.解雇の有効性と解雇無効を訴える方法 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上、相当であると認められない場合は、無効とされます。この判断は、最終的には裁判所に委ねられることになりますが、その基準は相応に厳格です。ミスが多く勤務態度が悪かったとしても、その程度やクリニックによる指導の状況によっては、まだ今後改善の可能性があるなどとして、必ずしも解雇が有効と判断されるとは限りません。解雇した院長は「解雇が有効であることに自信がある」ということですが、院長の判断と裁判所の判断が一致しない場合もありますので、この点を十分に理解する必要があります。なお、もし、解雇が無効とされた場合、解雇日から復職日までの給料を支払わなければならないとされていますので、解雇無効を主張する元職員は、解雇無効と同時に、解雇期間...