刑事医療裁判、18年間で256人中、無罪は6人
レポート
2019年12月28日 (土)
橋本佳子(m3.com編集長)
厚生労働省は12月27日、「医療行為と刑事責任の研究会」(座長:樋口範雄・武蔵野大法学部特任教授)がまとめた中間報告を公表、1999年から2016年までの18年間の刑事医療裁判(確定数)を分析した結果、2005年(47件、59人)がピークで、2016年は2件だったことが分かった。公判請求となった刑事医療裁判の202件、医師を含む医療者256人中、公判請求は38件、50人で無罪となったのは6件、6人だった(資料は、厚労省のホームページ)。 刑事医療裁判に至る事例には、「独善的な心理」「軽率的な心理」が特徴であると指摘。本研究の限界(文末を参照)を挙げた上で、今後に向けて、(1)事例収集には限界があるため、毎年の公表を視野に入れた刑事医療裁判の統計体制の整備、(2)刑事医療裁判では捜査機関に高度な医学的知識が求められることから、捜査に必要な医学的な知見を医学の専門家等から提供できるような体制の整備、(3)「行うべき行為をうっかりして行わないような心理」の背景には、病院等の管理体制に原因がある場合も少なくなく、医療施設やその管理者に対して行政的な措置・指導を行うことが、再発防止につながる――...
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