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9つの基本戦略を掲げ再整備を遂行 - 慈恵大学病院◆Vol.2

レポート 2020年1月11日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――いつ頃から、新外来棟の新築を予定されていたのでしょうか。 新外来棟の検討を開始したのは、ちょうど10年前、2009年です。当時は2015年に完成させようということで話が進んでいたのですが、2011年に東日本大震災が起きました。建築費の高騰などもあり、いったん足踏み状態となり、2012年にもう一度、約20人から成るタスクフォースを立ち上げて1年間検討し、2013年3月に基本構想をまとめました。 浅野晃司・慈恵大学理事 ――従来の外来棟はどんな課題を抱えていたのでしょうか。 第一は、建物自体がものすごく老朽化していたこと。1961年竣工、翌1962年から使用していました。もちろん耐震基準は満たしていますが、必ずしも十分とは言えない上に、水漏れも頻繁にありました。 第二は、手狭で、使い勝手が悪いこと。旧外来棟の建築当時、想定していた外来患者数は1日1000人、多くても1500人程度。しかし外来患者数は現在、3000人近い上に、新しい医療を展開しようとしても容易ではありませんでした。例えば、外来化学療養法室が足りないと思っても、拡充するスペースがなかったのです。また、慈恵大学病院の手術室は...