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遠隔医療、一般医の対面診療をサポートする強力なツール - 辻野彰・長崎大脳神経内科教授に聞く◆Vol.2

スペシャル企画 2020年2月23日 (日)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――長崎県における遠隔医療の必要性を改めてお教えください。 長崎県の人口当たりの医師数は、全国平均を上回っています。しかし、長崎県には8つの医療圏があり、うち壱岐、対馬、上五島、五島という4つの医療圏は離島から成ります。本土でも県北や県南にも医師不足の地域が多く、県内の医師偏在は大きい。脳神経内科について言えば、当医局に所属し、かつ大学病院に常勤として勤務している医師は13人。他にローテーションして県内各地の病院に勤務している医師がいますが、県内各地域に常勤、あるいは非常勤で勤務医を派遣するのには限界があります。 最近、オンライン診療が都市部などで始まっていますが、長崎の離島での遠隔診療は、重みが違います。都会ならいざという時に、すぐに近くの医療機関を受診することが可能。しかし、離島に医師が行く、あるいは患者さんが大学病院を受診するには、船や飛行機を利用しなければならず、悪天候であれば移動も難しいわけです。 辻野彰・長崎大脳神経内科教授 ――遠隔医療の中でも、「D to P with D」、かつスマートグラスを用いる診療形態を選択した理由は。 まず海外での研究で、パーキンソン病において...