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五島・離島の医療者不足、ICTがカバー◆Vol.3

スペシャル企画 2020年3月1日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

離島唯一の診療所で診察。処方箋はまず五島列島最大の島、福江島の薬局にオンラインで送付、原本は船で送付。薬はドローンで運び、服薬指導は薬剤師がオンラインで行う――。 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科離島・へき地医療学講座教授の前田隆浩氏は、こんな未来図を描く。2019年12月に改正薬機法が公布され、オンライン服薬指導は可能になったものの、ドローンでの薬剤配布が可能か、そもそも認可されるか、またコストをどう賄うかなど、解決すべき課題はあるが、前田氏は医療者不足に悩む離島医療を支えるためにはICT(情報通信技術)の活用が鍵となると見る。 「長崎には、診療所があっても、薬局がない有人離島が幾つかある。院内処方している診療所は、在庫管理の問題もあり、処方の選択肢は限られている。オンライン服薬指導が可能になれば、緊急的に必要な薬以外は、院内の在庫をなくすことができ、処方の幅は広がる」。前田氏はこうメリットを説明する。 未来を見据えた取り組みも既に始まっている。厚生労働省の2019年度「薬局の連携体制整備のための検討モデル事業」に、長崎県薬剤師会の「ICTを利活用した多職種連携及び薬局機能の充実」が...