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ICT利活用、日本は後進国になる懸念も - 前田隆浩・長崎大離島・へき地医療学教授に聞く◆Vol.4

スペシャル企画 2020年3月17日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――医療関連の情報システムは、構築しても使われなかったり、補助金等の打ち切りとともに中止となるケースが多いのが現実です。五島市の調剤情報共有システムはなぜ使用されているのでしょうか。 一つは五島市が主導で実施したこと、また導入費用は安価で、それに見合う効果を挙げていることなどが理由だと思います。 調剤情報共有システムの導入費用は、約2300万円。うち長崎県地域医療再生臨時特例基金事業補助金が約2200万円、残る約100万円は五島市の一般財源です。年間の運営経費は約300万円で、五島市の一般財源を充てており、参加薬局の負担はありません。 市の事業なので、調剤薬局の窓口だけではなく、市民への広報をさまざまな場で行っています。本システムでは、住基ネットをオフラインで使い、患者情報の名寄せをしており、五島市の職員が最低月1回更新しており、患者情報の一元化をしています。 長崎大離島・へき地医療学教授の前田隆浩氏 五島市の全調剤薬局が参加していることも特徴です。調剤情報共有システムの情報の2次利用として、インフルエンザ流行状況把握のために、抗インフルエンザ薬調剤速報を日々、関係機関や一般市民にメー...