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“事故調”、報告数ゼロの大学病院は問題 - 樋口範雄・東大名誉教授・武蔵野大特任教授に聞く◆Vol.3

インタビュー 2020年2月17日 (月)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先生は日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)の医療事故調査・支援事業運営委員会委員長を務めており、2019年11月の同委員会では、「制度運営上の課題に関する作業部会」を立ち上げることを決めました。そもそも制度の現状について、どんな問題認識をお持ちなのでしょうか。 やはり一つの問題は、医療機関からの報告件数が、少なすぎることでしょう。 東大名誉教授・武蔵野大特任教授の樋口範雄氏 ――制度設計時の年1300~2000件という報告件数はあくまで推計であり、あるべき報告件数は分からないと思うのですが。 今は1日1件くらいの報告件数です(編集部注:1年目388件、2年目363件、3年目378件、4年目371件)。医療事故がどこで起きやすいかを考えた場合、やはり大学病院、大病院でしょう。それは難しい事例を扱っているからです。けれども、大学病院の中に、1件も報告しないケースがあるため、その点に焦点を当てた方がいいと考えています。大学病院は、日本のリーダーたる病院ですから、少なくてもそうしたところには、医療安全、再発防止のためにご協力をいただきたい。 (2019年11月14日日本医療安...