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乳腺外科医事件、高裁では2人の精神科医が証言へ

レポート 2020年1月25日 (土)  高橋直純(m3.com編集部)

東京都足立区の柳原病院で自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪で逮捕・起訴され、一審無罪判決となった男性外科医に対する東京高裁での控訴審が2月に始まることを受けて、医療関係者有志で作る「外科医師を守る会」は1月23日、東京都内で「乳腺外科医冤罪事件 高裁無罪を目指す決起集会」を開催した。会場には支援者ら約100人が訪れた。控訴審では女性患者のせん妄の有無が主たる争点となり、2人の精神科医が証言する。 柳原病院顧問弁護士で、弁護団の黒岩哲彦弁護士は刑事訴訟における控訴審の役割を説明した。刑事事件の控訴審は「事後審査審」として、一審の証拠に基づき、一審の判決が正しいかを審査するものであり、新しい証拠の提出は「やむを得ない事由」が必要とされる。裁判所は「職権で事実を調査できる」ことになっている(民事裁判では「続審」として、一審の続きという位置づけで新しい証拠も提出できる)。 本件裁判の一審は、実質的な争点を(1)被害を訴える女性患者の発言の信用性、外在的な補助事実に関する争点として、被害を訴える女性患者の術後せん妄の有無および程度、(2)DNA型鑑定および...