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医師3通の意見書、証拠採用却下、「あずみの里」事件結審

レポート 2020年1月30日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

長野県安曇野市の特別養護老人ホーム「あずみの里」の准看護師が、ドーナツを誤って間食として女性入所者に提供したとして業務上過失致死罪に問われた控訴審の第1回公判が東京高裁(大熊一之裁判長)で1月30日に開かれ、弁護側は3通の意見書を含む16の証拠調べ、医師や刑法の専門家など7人への証人尋問、裁判所が選任する鑑定人による医学鑑定を求めたが、裁判長は証拠1つを採用した以外は全て却下した。検察側は全てを「採用の必要性なし」としていた。判決日が未定のまま、結審した。 弁護人の水谷渉弁護士は、意見陳述で「法律家は、医学やサイエンスの専門ではない。絶対に冤罪を生まないために、法律家は、胸襟を開き、専門家の意見に真摯に耳を傾けなければならない。万一、それを怠るとすれば、『法律家の傲慢』」と主張。証拠却下の判断を受け、主任弁護人の藤井篤氏は、「3つの医学鑑定書は、控訴審に至ってから作成された新たな証拠。これは無罪を言い渡すべき新たな証拠でもある。不採用決定は、『事案の真相』を明らかにすることを求める刑事訴訟法に違反する」と異議を唱えたものの、認められなかった。 准看護師は、当時85歳の女性入所者が201...