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新型コロナウイルスに我々はどう対峙したらいいのか(No.2)【押谷仁教授メッセージ】

オピニオン 2020年2月14日 (金)  m3.com編集部

東北大学の許諾を得て、WHO(世界保健機関)西太平洋地域事務局で感染症地域アドバイザーとして従事した経験を持つ、同大医学系研究科微生物学分野教授の押谷仁氏のメッセージを転載します。原文は2月12日付で東北大学大学院医学系研究科・医学部のホームページで公開されています。2月4日付で公開されたNo.1は「新型コロナウイルスに我々はどう対峙すべきなのか」よりご覧いただけます。 (※小見出しはm3.com編集部で作成、挿入しています) 日本ではこの1週間新型コロナウイルスの話題はクルーズ船の話でもちきりだった印象がある。ウイルスは「見えない」存在である。今回のコロナウイルスも直径100-200ナノメートルという小さな粒子であり、肉眼ではもちろん普通の光学顕微鏡でも見ることができず、ウイルス粒子を見るためには電子顕微鏡が必要である。今回の新型コロナウイルスはウイルス粒子が見えないということと同時に、このウイルスの拡がりが見えないという特徴があり、そのことがこのウイルスとの戦いを難しいものにしている。 感染連鎖を可視化せよ クルーズ船の乗客から重症者が発生したということが今日厚生労働省から発表され...