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「国内で感染伝播がどんどん続く状況にはまだない」、中島・大東大教授

レポート 2020年2月15日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

横浜市で2月15日に開かれた第35回日本環境感染学会総会・学術集会の企画「新型コロナウイルス感染症を見据えた輸入感染症への備え~東京2020大会に向けて~」で講演した、大東文化大学スポーツ・健康科学部健康科学科の中島一敏氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はここ数日、感染症例の報告が相次ぐものの、国内で感染伝播がどんどん続く状況にはまだ至っておらず、中国、特に湖北省への渡航・滞在歴のある感染者(輸入例)と接触した人での広がりに近いという個人的見解を示した。 中島氏は、その理由として、タイミング(2次、3次ではなく、4次以降の感染と考えるには時間的に早い)、職業(2次感染者は輸入例と接点がある職業の人が多い)のほか、2次感染しやすい医療従事者の感染者の存在――を挙げた。 その上で、中島氏は、「調査をすれば、感染源に近付ける状況にまだあると思っている」と述べ、疫学的リンクを調査するとともに、2次、3次感染を抑えていくという両面の対応に努力すべきと指摘した。 医師である中島一敏氏の専門は、疫学、予防医学、感染症学。 本企画は、今夏の東京オリンピック・パラリンピックの対策を検討す...