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科学鑑定の検察側証拠を高裁は全て却下、乳腺外科医事件第2回公判

レポート 2020年2月27日 (木)  高橋直純(m3.com編集部)

東京都足立区の柳原病院で自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪で逮捕・起訴され、一審無罪判決となった男性外科医に対する東京高裁での第2回控訴審(朝山芳史裁判長)が2月26日に開かれた。裁判所は検察側が高裁でも主張しようとしたDNA定量検査やアミラーゼ鑑定に関する証拠について、全て却下した。「鑑定には一定の疑義がある」とする一審判決が踏襲されることになった。同日行われた証人尋問では弁護側の精神科医は一審判決での事実認定、弁護側・検察側の主張を前提としても、被害を訴える女性は「せん妄で幻覚・錯覚が生じる可能性がある」との見解を述べた。 DNA、アミラーゼの鑑定の新証拠を全て却下 一審判決では、警察が行ったDNA定量検査やアミラーゼ鑑定について、「鑑定には一定の疑義があり、仮に信用性があると仮定しても、その証明力は十分なものとは言えない」と判断した。検察側は控訴審で、鑑定結果の正当性を示す論文や大学教授からの聴取書、科学捜査研究所の資料保存状況などについての資料を証拠として採用することを求めていた。弁護側も検察側主張に対する反論証拠を提出していたが、裁判所...