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外科医の不足と安心感、「遠隔手術」で支援 - 森正樹・日本外科学会理事長

インタビュー 2020年3月4日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

手術支援ロボットの普及と、IT(情報通信技術)の進展で注目が集まる「遠隔手術」。日本外科学会が中心となり、この1月から具体的な検討が始まった。 「外科医不足、それに伴う地域医療崩壊の危機に対応するために、遠隔手術が必要」と語る日本外科学会理事長の森正樹氏。森氏に、遠隔手術への期待や実現に向けた課題などについてお聞きした(2020年2月18日にインタビュー)。 ――遠隔手術は、いつ頃から検討を始めたのでしょうか。 最初に日本外科学会内で話が出たのは、2019年の初めの頃のことです。厚生労働省における「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に関する検討において当初、遠隔手術が入っていませんでした。今後、遠隔手術も重要な分野だと考え、遠隔手術も項目の一つに入れていただいたのがスタートです。 日本外科学会理事長の森正樹氏 手術支援ロボットを用いた遠隔手術が重要だと考える理由の一つに、外科医が減少している中、地方の病院の外科医不足がさらに深刻になり、地域医療が成り立たなくなってしまう危機感があります。 また、若手の医師が地方に行きたがらないのは、指導体制や症例数が十分ではなく、手術の腕が磨けな...