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東京医大に「損害賠償」義務、不適切入試訴訟で初判決

レポート 2020年3月6日 (金)  小川洋輔(m3.com編集部)

東京医科大学の不適切入試で女子や浪人の元受験生が不利益を被ったとして、特定適格消費者団体のNPO法人「消費者機構日本(COJ)」が、大学側に受験料の返還義務などがあることを確認していた訴訟の判決が3月6日、東京地裁であり、前澤達朗裁判長は同大が不法行為に基づく損害賠償の支払い義務を負うと言い渡した。医学部の不適切入試を巡る主要訴訟で判決が出るのは初めて。判決が確定した場合、COJは元受験生からの申請を受け付け、返還のための手続きに入る。 判決を受け記者会見する原告弁護団 女子や浪人の受験生の点数を一律で減点していたことについて、同大側は「大学入学試験においては、個別学力検査の素点からの調整が様々な理由により認められており、得点調整をすること自体は違法とはいえない」と主張していた。 判決は得点調整について、法の下の平等を定めた憲法14条1項や大学設置基準の趣旨に反するものとし、「違法である疑いが極めて強い」と断じた。 事前説明なく一律減点「違法」 大きな争点となっていたのが、合否判定で不利になると事前に分かっていた場合に、女子や浪人の受験生が同大を受験していたと考えられるかどうかだ。同大...