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今まさに瀬戸際の状況、北海道が試金石 - 尾身茂・新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長に聞く

インタビュー 2020年3月7日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

政府の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に、専門家の立場からアドバイスをする役割を果たすのが、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議。発足したのは2月16日(『新型コロナ「国内発生の早期段階」、検査・診療は重症肺炎患者を優先に』を参照)。頻繁に会議を開催し、節目には見解等を出したりしているが、その議論自体は非公開だ。 副座長を務める地域医療機能推進機構(JCHO)理事長の尾身茂氏に、現状のCOVID-19の流行状況や各種対策の意義などについてお聞きした(2020年3月6日にインタビュー)。 ――政府は3月5日、水際対策を強化しましたが、どう受け止めておられますか(『安倍首相、中韓からの入国者に2週間待機を要請』を参照)。 政府のことを直接コメントするのではなく、今の私の現状認識をお話しします。 まず前提として、なぜ今、我々が「クラスター対策」を重視しているかですが、感染拡大防止には極めて重要だからです。インフルエンザでは、一人一人が他の方に感染させていくので、じわじわと感染が広がっていきます。しかし、新型コロナウイルス感染症では、今のところ分かっているデータでは、5人が感...