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3メートルの津波に襲われた診療所、4日後に再開 -宮古の91歳開業医・木澤健一氏が半生を振り返る◆Vol.1

インタビュー 2020年3月11日 (水)  小川洋輔(m3.com編集部)

太平洋に面した岩手県宮古市。2011年3月11日に発生した東日本大震災では、最大8.5メートルの大津波に襲われ、多数の犠牲者を出した。海岸から約1キロ、津軽石川に沿って走るローカル線・三陸鉄道の津軽石駅のほど近くにたたずむ木澤内科医院には、91歳の今でも臨床の現場に立ち続ける開業医・木澤健一氏がいる。この地で開業してから57年。地域医療への貢献が認められ、2020年1月には「第8回日本医師会赤ひげ大賞」の受賞が決まった(『98歳の現役医師に「赤ひげ大賞」』を参照)。医師不足、事故、そして震災、様々な苦難を乗り越えてきた半生を語ってもらった(2020年2月15日にインタビュー。全2回の連載)。 木澤健一(きざわ・けんいち)氏 1928年10月生まれ。1950年、岩手医学専門学校(岩手医科大学の前身)卒業。岩手県内の複数の医療機関で勤務した後、1963年に宮古市津軽石で木澤内科医院を開業。 ――医師を志したきっかけは。 親の仕事の都合で東京で育ったのですが、7歳の時、新潟県へ引っ越しました。すると転校先で「よそ者が来た」と言われ、いじめに遭いました。それが悔しくて、勉強で一番になって見返し...