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西浦北大教授「3つのCOVID-19流行シナリオ、いずれも最悪の場合」

レポート 2020年3月11日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

北海道大学大学院医学研究院教授の西浦博氏は3月10日、厚生労働省内で行った記者ブリーフィングで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行について、「疫学的関連性が把握できない程度に感染が拡大」してからの流行のピークは、何らの公衆衛生上の対策を行わなかった場合は約3カ月後、その後、約3カ月で終息するとのシミュレーションを説明した。実際には対策を行うことで、流行のピーク時の患者発生数は少なくなり、ピークの時期は後ろ倒しになるのが一般的だという。 西浦氏らは中国のデータなど現時点で入手可能なデータを基に、▽疫学的関連性が把握できない程度に感染が拡大」を「流行開始」、▽公衆衛生上の対策を行わなかった場合――について、最も妥当な基本再生産数(R0:一人の感染者が生み出す2次感染者数の平均値)を「1.7」とし、「1.4」を低位、「2.0」を高位として、COVID-19の発症率、入院率、重症化率を3段階でシミュレーション。R0が「1.4」の場合は約5カ月、「2.0」の場合には約2カ月で、流行のピークに達する(資料は、首相官邸のホームページ)。 R0が「1.7」の場合、全年齢平均で発症率は9...