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外国人診療、法律ではどうなる?

オピニオン 2020年4月5日 (日)  大西達夫・MLIP(エムリップ)経営法律事務所弁護士

■外国人診療と応招義務 ■外国人診療と未収金 ■自費(自由)診療の価格設定 ■外国人の保険診療受給者資格の改正 ■医療通訳と誤訳の法的責任 ■医療の国際化と日本の医療制度の在り方 【質問】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が大問題となっていますが、感染が判明した患者の中には外国人もいます 1)。東京オリンピック・パラリンピックでは、多数の外国人が日本を訪れ、中には体調を崩して日本の医療機関を受診するケースもかなり出てくるでしょう。 外国人診療に関する法律問題で理解しておくべきことを教えてください。 【解説】 Q:外国人が来院しても、断らずに診療しなければなりませんか? いわゆる応招義務を定める医師法19条1項(「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない 2)」では、受診者の国籍等による区別はなく、応招義務の原則、及び診療拒絶の「正当な事由」に関する考え方は、外国人受診者に対する診療にも当てはまると解されます。 厚生労働省が昨年末に発出した医政局長通知 3)でも、「外国人患者についても、診療しないことの正当化事由...