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院内感染発覚「検査は医師を優先」、拡大防止と状況把握 - 野尻孝子・和歌山県技監インタビュー◆Vol.1

インタビュー 2020年4月5日 (日)  小川洋輔(m3.com編集部)

国内で初めて医師の感染が明らかとなり、患者も含め計5人の感染者を出した和歌山県湯浅町の済生会有田病院。ただ、1人目の陽性が判明してからは、素早いPCR検査や院内感染対策に取り組み、院内の感染は拡大しなかった。家族らへの感染はあったが、市中でクラスターの連鎖は起こらず、「封じ込め」に成功したとも言える事例だ。 各地で院内感染が疑われる医療機関が相次ぐ中、済生会有田病院から得られた教訓や対策のポイントは何か。県庁で陣頭指揮を執った県福祉保健部技監の野尻孝子氏に聞いた(2020年3月30日にインタビュー。全2回の連載)。 院内対策を振り返る野尻孝子技監 野尻孝子(のじり・たかこ)氏 1981年、和歌山県立医科大学医学部卒業。同大学付属病院や社会保険紀南総合病院などで小児科医として勤務し、1991年入庁。1994年御坊保健所長、2000年日高振興局健康福祉部長兼御坊保健所長、2013年福祉保健部健康局長。2018年から福祉保健部技監兼健康局長。 ――病院関係者の感染の疑いが浮上したきっかけを教えてください。 端緒となった情報は、実は保健所や済生会有田病院からもたらされたものではありません。2月...